1. Home
  2. 語学学校研究ワーホリの部屋
  3.  
  4. 渡豪準備のためのFAQ
2011年07月02日改訂


お金の移動方法について




最初に脅かしておきますが、お金の移動方法論は難しいです。

@現金/ATC(トラベラーズチェック)/B現地ATMで、日本の口座(邦銀の日本円口座)から引出す、C第三者機関による送金サービス/DANZ銀行など、オーストラリア銀行の口座を日本で開設する/Eオーストラリア現地で口座を開設して日本から送金してもらう/Fクレジット利用、などが考えられますが、どれもこれも一長一短あります。

このページでは上の利害得失を執拗なまでに検討してますが、それだけにとっても長いです。全部読めたらエラいです。
そして、最終的な結論は、哀しいことに、正解なし!だったりします。

 ただし、「こんなのはいかが?」というモデルプランはあるので、それを最初に書いておきます。

 もしあなたの渡豪資金が100万円以下だったら、
クレジットカード+海外キャッシュカード(現地ATM利用)の二つが必須
あとはオプションでTCや口座送金等

 がいいと思います。
 もし、100万以上の資金があるなら、三番目のオプションを充実させる方向にするといいと思います。

 前口上は以上。じゃ、いきます!

目次

第一章:各移動方法のメリット・デメリット

第二章:総合判断 考えるべきポイントとミックス案

第一章:各移動方法のメリット・デメリット

@ 現金


 一般的にいってキャッシュは為替レートが悪いです。もちろん交換する場所や時によって違ってきますし、昔ほどメチャクチャレートが悪くなってるわけでもありませんが、それでも現金の方が有利という局面は滅多にないと思います。現金に関する唯一の長所は、とりあえず自宅の現金をひっつかんで飛行機乗れば良いという簡便性で、ほとんどそれに尽きると思います。

 例えば、東京三菱銀行の為替レート表を見てみましょう。最初にこのページを書いた2005年11月02日時点でのオーストラリアドルとのレートは、TCなどが88円なのに比べて現金はなんと96円。おおよそ10%違いました。その後、08年9月は85円/98円、2010年2月で83円/91円、そして今回2011年7月1日では88.54円/96.24円でした。コンスタントに10%程度の差がついていることがお分かりかと思います。

 10%も違うということはデカいです。100万円につき10万円損するということですから。

 どうしても現金交換をしなければならなくなったら、シドニー現地ではピアモントにあるカジノの交換レートが比較的有利といわれています。それか後の述べるKVBもレートがいいです。しかし、一番良いのは、これから日本に帰る人(オーストラリアドルを日本円に換えたい人)と直接交換することです。銀行の中間利ザヤをカットできますから究極のレートです。そうそう都合よく出会わないとは思いますが、在住日本人の掲示板などによく「オーストラリアドル売ります」広告が出ています。「帰国直前の(&遣い残した豪ドルの始末に困ってる)日本人がいる場所」ですが、つまりはホテルやバッパーで、アクティブな人だったらシドニー中の(日本人のいそうな)バッパーに貼り紙をして廻ることを思いついたりもするでしょう(しかしその交通費を考えたら、?)

 以下のA〜Dについては、キャッシュほどのレート差はありません。しかし、手数料や利便性、安全性などで違いがあります。

ATC(オーストラリアドル建て)


 メリットとしては安全であること。
 もう一つのメリットとしては、円高時にTCに替えることで円高メリットを確定できることです。TCは作成時のレートで確定しますから、その後円安になっていたら「早く替えておいて良かった」ということです。ただし、目論見が外れて、逆にもっと円高に振れたら「あああ、替えるんじゃなかった」と損になります。

 TCは、大きなお金を一括で払うような場合(学校など)には、多量のキャッシュを持ち歩かなくて済みますから適しています。また、レート確定効果についていえば、これまでの動向から「今後これ以上の円高になることはない」と思える場合はGOでしょう。

 デメリットとしては、コスト(作成&交換手数料)が嵩むこと、利便性に乏しいことです。
 すなわち、TCには作成手数料かかり、これが銀行によって異なりつつも大体5000円くらいかかってしまいます。また、現地でオーストラリアドルに換金する際にも(マチマチだが)手数料が最低でも7ドル程度かかってしまいます。なおアメックスの窓口で交換すれば手数料は無料だったのですが、2009年7月から8ドル取られるようになりました(先日窓口でガビーンとなりました)。しかし、一支店1000ドルまでだったらWestpac銀行の普通の窓口で交換すると無料になるというヘンな状況になってます。一気に沢山換金したかったら支店廻りをしなければならないという。

オーストラリア生活心得: Always, Ask!〜アテにならない現場

 関連して述べます。
 オーストラリアの生活常識としていえば、「全てが一律になってると思うな」です。末端窓口での実務はびっくりするくらいマチマチで、同じ銀行に同じ日に行っても窓口担当者が違うと言うことが違うとか、日によって違うとか、支店によって違うというのは良くあります。転職社会のこちらでは皆さん職務内容を正確に把握していない。だからネットで情報を得て現場に行ってみても、その通りになっていないケースがよくあります。また、今日通用したことが明日も通用するとは限らないし、同日同所であっても窓口の人が変わったらもう言うことが違います。さらに、こちらは万事腰が軽いので、驚くほど簡単に規則も変えるし、支店の引越もします。もうアメックスの交換所なんかどれだけ引越してるか。また頻繁に変えるくせに周知が不徹底だから、スタッフの言うこともバラバラになる。

 ゆえに実戦のコツとしては、 always ask!です。まず聞いてみろ、です。TCのケースで言えば、交換手数料は"fee"とか"charge"、無料は"free"。TC現物を見せながら、"Do I have to pay any fee? or for free? free of charge? "とか言ってれば教えてくれます。で、「無料だよ」というところ(人)でバシッと交換しちゃおう。
 利便性も問題です。TCが使える局面が著しく限られていることで、学校の授業料の支払いその他旅行関係くらいにしか使えません。生活局面ではほとんど無力です。それは日本での生活を全部TCでやろうと考えてみたらお分かりになると思います。それと同じ事です。

 だから結局換金しなければならず、その手間が面倒臭い。確かにWestpac銀行窓口で交換してくれるとしても、銀行は月〜金の営業時間(午後4時まで、金曜だけ5時まで)しかダメですし、観光地の両替所だったら土日もやっているにしても今度は交換手数料が高い。「うーん、面倒だ!」で一気に交換してしまったりするのですが、そうなるとその時点でTCの意味(安全性)は損なわれています。現地で銀行口座を開設し、その際にTCを交換入金するという手がありますが、その「口座開設」という手間が面倒だという。要するに「なにかしなければならない」という部分が利便性における欠点になるわけですね。

 但し欠点と長所は表裏一体です。「不便だから良い」というメリットもあります。
 一つはアナログ的な堅牢性です。TCは「紙」であり、しかも一枚づつシコシコと署名をし、パスポートの写真と照合し、、というアナログ方式なのですが、だからこそ堅牢であると。クレジットやATMその他のカード系、あるいはネットバンキングなどのデジタル系は簡便なのですが、それだけに停電したら終わりです。その他システムダウン、ネットがつながらない、カードの磁気不良、スキミング盗難、、、脆くもあるのです。その点、TCは面倒臭い反面、確実なのですね。

 もう一つ関連するメリットを言っておくと、ネストエッグ機能です。"Nest Egg"(巣の卵)というのは英語で「不慮の事態に備えたお金」という意味で、盗難紛失で「きゃー」となったとき、「しかし、まだTCが残っていたのでした」という緊急費用に使えるということです。たしかにTCは換金とか面倒なのですが、それが散財のブレーキになるというプラス面もある。容易に使えないからこそ「まさかのときの備蓄」として機能しうる。そういえば、僕も17年前にオーストラリアに来たときのTC200ドル分がボストンバッグの底板の下にまだ眠っています。

 なお、これまでVISA、トーマスクック、Citi Bankなど複数のTCがあったのですが、2010年現在、日本で販売されているTCはアメックス発行のものだけのようです。アメックス発行のTCを各銀行を通じて買うということですね。Citi Bankはこれまで口座を持っていれば無料でTCを作成できたのですが、09年より額面の1%(口座を持ってなければ2%)の手数料をとるようになりました。
 アメックスの窓口はここ(別窓)で検索できることになってますが、ただしこの情報は古いことが多く、その都度電話で聞いてみるべし(パンフレットに日本語の問い合せ窓口番号があるはず)。アメックスの交換窓口でシドニーでメジャーなところでいえば、CityならばGeroge St沿いのWynyardあるいはChinatownあたりのWestpac銀行の店内に間借りをしています。Westpac銀行とは仲良くしてるようですので、シティ内Westpac銀行に聞いてみたらいいでしょう。Bondi JunctionやChatswoodのWestpac銀行にも店内にアメックスのコーナーがあります。

 使用時にはサインをしなければなりませんが、あまり少額(50ドルとか)で作ってしまうと、授業料の支払いなど大金の場合、腱鞘炎状態になりますので注意(^_^)。

日本円建てTCについて

 日本円建てTCが一番得であるかのような風聞もあるのですが、なんでそう思うのか僕には良く分からないです。どう考えても、経済性でも利便性でも劣ると思うのですが。つまり、損なうえに面倒臭いだけだと。

→続きを表示させる

B 日本円口座からのATM引出(海外キャッシュカード)

 その昔は、Citi Bankのウリだったのですが、多くの邦銀でも出来るようになり、そしてここ数年、また潮が引くように邦銀が撤退しています(この事情は後述します)。

 このメリットの第一は、何といっても利便性です。
 オーストラリア現地のATM、殆ど全てで利用できます。なにもシティバンクだったらシティバンクの支店に行かねばならないわけではないです(手数料がかからないから得だけど、シティの支店はものすごく少ない)。多くの場合PLUS、CIRRUS、VISA経由で下ろすのですが、ほぼ例外なくこちらのATMで受け付けています。シドニーのATMはびっくりするくらい至るところにあり(スーパーやガソリンスタンド、パブの中にすらあったりする)、発行銀行のサイトで「オーストラリアのATMの場所」なんかイチイチ確認する必要なんかないです。発行銀行だってあまりにも多すぎて把握しきれてないはずです。ウチの近所の小さな商店街にも最低7カ所はあります。また週末も24時間利用できます。ほんとに「いつでもどこでも」です。

 第二のメリットは作成コストがかからず、面倒な手続きがいらないこと。
 第三のメリットは、遣い残した分はそのまま円で残存してますから、再び円に戻す二重差損が発生しないことなどです。為替レートは、ATM利用時のレートになります。

 注意点としては、お手持ちのカードが海外で利用できるか、あるいは自分の口座が海外で下ろせる設定にしているかどうか、そのあたりの手続きは各銀行によって違いますので、十分に確認しておく事です。

 デメリットとしてはATM使用料が200円ほど取られること、及びATM使用の場合の為替レートが3-4%前後割高になることです。また、多くの場合1日の使用限度額(1000ドル程度)があるので多額の支払いには不向きであることです(何日も連続して引き出さねばならず、その都度大金抱えて緊張します)。

 使用料+レートやや悪は痛いのですが、最初の数千円単位の手数料(AのTC、Cの開設費、D送金手数料)のことを考えたら、何回下ろすかによって損益分岐点は決まってくるでしょう。非常に頻繁に下ろす人には割損になるけど、せいぜい十回未満だったらお得では?なぜなら、オーストラリアで銀行口座でATMを使っても、他店ATMだったら同じくらい料金を取られるし、口座の種類によってはカウンターでも手数料を取られたりします。さらに口座管理料まで月5ドルほど取られますから、ランニングコストは同じようにかかるからです。

 なお、現地ATMの使い方の解説は、生活体験マニュアル/お金について(1)外貨交換に書いてあります。
 意外と気づかない大きなメリットは、日本からの緊急送金に最も使えることです。
 もうこの一点だけで「一枚はもってこい」と言いたいくらいです。

 なぜか?緊急の事故や負傷、盗難などで、現地で急にお金が必要になり、日本のご実家などから送金をお願いする事例を考えてみてください。

 海外送金って面倒臭いですよ。鎖国JAPANではそういう機会が少ないから皆が慣れていない(慣れてないからこそ、あなたもこのページを読んでいるのでしょう)。とりあえず日本の銀行員さん、海外のこと知らなすぎ。こちらの銀行口座に送金する際、銀行、口座名義、番号、あとBSB番号くらいで事足りる筈です。それなのに不慣れだからか、やれ支店名が必要とか、支店住所が必要とか、SWIFTコードやら何やら、色々言うのですね。6桁のBSBコードに「○○銀行○○支店」という意味が入ってるのだからそれで十分なんだけどそれも知らない。だから「これでは送金できません」で突っ返される。そうすると、ご実家のある程度ご年配の方の場合、「そういうものか」と思ってしまい、「ダメだってさ」と返信が来る。

 だから、万が一に備えてあらゆる口座情報を満載してメールで送ったり、電話で書き取らせたりするのだけど、これが大変。年配の方の場合「メールはちょっと、、」という人もいるし、電話口で英語の住所スペルなんかやってたら日が暮れます。ここまでリアルに言うのは、目の前で何十回となくそういう場面を見ているからです。すごい大変なんです。もちろん大変じゃない人、大変じゃない場合もありますよ。でも大変な場合が多い。ましてや旅行・ラウンド先でド田舎に居るときとか、日本への通信事情そのものが良くない場合もありうる。携帯着外、ネット不能なんかザラです。電波弱々の状態でこんなやりとりすることを考えてみてください。

 しかし、ATMの場合はそもそも海外送金ではないのです。日本円を、日本の銀行口座に入金すれば良いだけです。つまりは普通に日常でやってることをやってもらえばいいから楽なんです。口座もハンコを預けてたりするから楽でしょ?したがってヘルプミー通信も極めて簡単に終る。「例の口座に5万円入れといて!頼む!」で済む。

 そして日本の口座に入金があった瞬間、即座にこちらのATMで下ろせます。速い!緊急時には頼もしいです。これが海外送金だと、電信でも丸一日かかったり、文書だったら数日かかったりして、緊急事態を抱えたまま数日間イライラすることになります。つまりは「緊急」の役に立ってないということです。

 従って、海外ATMキャッシュカードを作る場合、後日に備えて、自分ではなく、家人など後で頼むかもしれない人が、いかに簡単に補充等ができるか、という観点でお考えになるといいと思います。

貸金決済法と邦銀のベタ降り傾向
 なお、ここ1〜2年、邦銀がどんどん海外キャシュカード業務から撤退しています。新規発行終了ばっか。みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、もうベタ降りです。この国際化の時代になぜ?と思ったら、どうも「資金決済に関する法律」が去年から施行された影響のようです。

 これは、これまで銀行など金融機関にしか認められていなかった為替取引(簡単に言えば「お金の移動」「送金サービス業」)を金融機関以外の事業者にも認めたという規制緩和です。少額決済などPayPalなどの電子マネーが利用されてきましたが、こういった事業者が送金サービスを行えるようになったこと。また、電子マネーやポイントなどはこれまで換金できなかったのですが、為替(決済)OKになったことで出来るようになります。

 消費者としては非常に面白い時代になってきたと思いますし、後で述べるようにどんどん新規参入者が増えてきました。電子マネー系でいえば1年前から楽天キャッシュが換金・譲渡出来るようになってます。しかし、この新しい市場に、邦銀は横並びで撤退。なんで?と思いますね。特権を剥奪され、新興事業に太刀打ちできないと思ったか、少額顧客の面倒な手間がいやなのか、要するにやってもイイコトないと思ったのでしょうね。邦銀に対しては言いたいことがあと1000行くらいありますが、テーマを外れるので割愛します。

 ということで有名邦銀は撤退していますが、もともとが外資のシティバンクや新生銀行は撤退していません。HSBCなんかも参入してます。他にも沢山あります。また、幾つかの第三者機関の送金サービス業も参入していますが、これらはまとめて次項で書きます。

 結論的にいえば、「とりあえず一枚」くらいだったら、新生銀行でいいんじゃないかと。レート悪いけど(邦銀系よりはマシだけど)、即時にカードも渡して貰えるし(事前に支店に電話して確認するといい)。もっとも、新生銀行の場合、新規発行はその場でやってくれるのですが、紛失などで再発行を頼むと意外と時間がかかるようです。新生に限らず、カードを新たに作るときは、紛失再発行の手続や所要期間も調べておくと良いと思います。

 あ、それとカードとATMの相性が悪いときがときどきあります。新生とコモンウェルスとだったかな?常にそうというわけでもないのだけど、「ご利用できません」みたいな表示が出るときがあります。こういう場合は、あまり気にせずに別の銀行の別のATMでトライしてください。どういう法則性でどういう理由なのかまだつかめておらず、また河岸を変えたら即解決するので突っこんで考えてもいないのだけど、まあ「相性」ってのがあるのかね?って感じです。




→次に進む


 ★関連リンク = 予算・費用について
 ★関連リンク = 語学学校の選択の基準(その2)予算で選ぶ 語学学校の経費の構造
 ★関連リンク = 2011年 世界経済と留学/ ワーホリ3−1:為替の動きにどう対応するか

★→シドニー語学学校研究渡豪準備編に戻る
★→シドニー語学学校研究トップに戻る
→APLaCの総合トップを見てみる