下のグラフは、日本円・豪ドルの過去7年ほどの為替レートの変動図です。
Google Financeのデーターをキャプチャーしたものです。同じようなグラフは、
Yahooファイナンスにもあります。
グラフの中ほどで、いきなり垂直落下のようにガクンと値が下がっているのが分かると思います。最初、本稿はこのときに書かれたものです。
それまで70-80円台だった豪ドルは、2007年以降100円ラインを行ったり来たりしています。2008年春頃まで104円をつけていたのですが、08年秋には一気にドル50円台まで崩落しました。これが世界経済危機(リーマンショック)です。いかに凄まじい変動であったかがお分かりでしょう。
なぜこうなったのか?という原因ですが、ドルやユーロをはじめとする世界通貨の中で日本円が際だって高くなっていることと、豪ドルが際だって下がっていることによるダブルパンチでこうなっと言われています。こういった初期の不安定な為替レートは、世界経済が落ち着きを取り戻すにつれてすぐに復旧し、2009年中期には80円台ラインに戻し、2011年8月までの直近1年はほぼ80円のボックス圏にいました。ところが、9月上旬以降ガクンと下がって75円前後になっています。
さて、このような為替の動きを前提に、どうしたらいいのでしょうか?これが本稿の課題です。
オーストラリアに行こうという人にとって、08年後期以降の円高&豪ドル安(50円台までストンと落ちたとき)はチャンスでした。この時期はリーマンショックやら、大手留学業者(ゲートウェイ21)が倒産するやらで、日本人留学生の多くがキャンセルなど二の足を踏んで激減していたのですが、結果的にいえばこの時期が一番お得だったわけですね。為替が50%動くということは、100万円が200万円の価値を持つことになるのですから、所持金が一気に倍になります(逆に一気に半分になるリスクもあるが)。
これを単なる結果論で済ませては勿体ないです。学ぶべきものは学ばねば。
今、留学やワーホリ資金を一生懸命貯めておられる方々、
為替の動きは定期的にウォッチングされておくといいです。一気に倍!なんてことは10年に一回くらいでしょうが、数十万円くらいの差は結構生じますから。直近数年の傾向を頭に入れ、大体の値頃感をつかんでおくことです。例えばこの表でいえば、ここ数ヶ月大体80円後半あたりですから、2011年9月以降70円台まで落ちてきた時点がチャンスということですね。レートが8円違ったら10%お得です。
しかし、日本での仕事や生活がある身では、いくら為替的にチャンスだと言っても、いきなり来週から渡豪できるような身軽な人も少ないでしょう。来年の渡豪予定を前提に、「このまま円高が続けばいいな」「まずい!どんどん上がっていく!」とヤキモキしているという人も多いでしょう。その気持ちはよく分ります。僕でもそう思う。しかし、問題はヤキモキしている間に再び円安(豪ドル高)に転じ、またドル100円に完全回復してしまったら、「あー、損した!」とガッカリすることです。今80万円の貯金を来年の渡豪までに頑張って100万円まで増やしても、その間に為替が80円から100円に動いたら、その貯金分20万円は事実上無意味になるわけですから、非常にムナしい思いをするでしょう。
では、渡豪の時期はズラせないにせよ、今のこの円高チャンスを確保する方法はないか?ですが、これはあります。幾らでもあります。
一番簡単なのは、
今のレートでTC(トラベラーズチェック)を作っておくこと、です。これから日々為替の動きをチェックしておいて(例えば
ココとかで)、「こんなもんかな」と納得できるレートがあれば、そこで手持ちの資金の幾らかをオーストラリアドル建てでTCにしてしまうのです。仮に今日、レート80円でTCを作っておけば、将来円安に戻ってドル120円になったとしてもOKです。
注意点としては、
@、ここで日本円建てのTCにしたら意味ないです。あくまで豪ドル建てのTCにするように
A、個人の考えですが、全資金を替えてしまわない方がいいかも。なぜなら今後もっと円高になって、ドル40円とかになったら、「あー、もっと後で替えておけば良かった!」となりますから。但し、将来的にどっちに振れるかは全く分りませんので、そこはアナタの判断です。とりあえず半分だけとか、とりあえず語学学校費用分だけとか。
B、TC作成一般の注意点ですが、全ての銀行支店で作成してくれるわけでもないし、また銀行によってレートや作成手数料はかなりマチマチですので、あらかじめ近所の銀行に問い合わせるなどして下調べしておきましょう。
しかし、より真剣に考え出すとリスクヘッジのために何回かに分けて換金するという方法もあります。例えばいまここに100万円の資金があったとして、ドル70円になったのでとりあえず30万円だけ換金します。以後70円以上が続いていたけど、あるとき65円まで下がったのでもう30万円追加で換金します。また2か月後60円まで下がったのでさらに30万円換金します。こうすると、合計90万円を平均65円で換金したことになります。株式でいうナンピン買いという手法ですね。
ただし、TC作成には一回5000円前後の手数料がかかったり、そうそう仕事を抜け出して銀行に通うわけにもいかない。面倒くさいです。今がチャンスと思いつつ、行くヒマがないのでみすみす逃してしまったということもあるでしょう。
そこで、
外貨預金という方法があります。
例えば、Citiバンクなどではインターネットバンキングで簡単に手持ちの預金を好きな外貨に替えておくことができます。別にシティの専売特許ではなく、いろいろな銀行でやってると思われますので、興味があったらどんどん調べてみてください。この方法のメリットは、TCと違ってイチイチ銀行まで出向かなくてもいいし、深夜のネット作業の間に出来るし、ネットカフェでもできます。また手数料もたいがい無料(というか手数料コミのレート設定になってる)。非常に気楽に出来ますから、ものすごくキメの細かい作業も出来ます。電卓叩きまくって常にこれまでの平均値を出し、それを下回ったら換金し、さらにドーンと円安に振れたら一気に円に戻して儲けるということも出来ます。
ただし、そんなイイコトづくめの方法がこの世にあるわけないのですで、注意点もあります。
@、
外貨預金に入れてある状態からどうやってオーストラリア現地で現金化するか、そのルートを研究しておくこと。
オーストラリアの銀行口座に送金できるのか、ネットバンキングで出来るのか、あらかじめ口座を登録しないとダメなのか、どのくらい日時がかかるのかであり、これらを徹底調査しておきましょう。また、外貨預金を原資にしてドル建てのTCにするという手もあります。そういうことが出来るのかどうか、あらかじめ銀行に確認しておきましょう。この確認やツメを怠ると、
外貨資金はあるけどオーストラリア現地に持って来れないという泣きそうな状況になります。あるいは、外貨預金を送金しようとする場合「一回日本円に戻さないと送金できません」なんてシバリがかかっていたら、その時点でのレートでまた換金しなければなりません。そのときのレートが不利だったら、せっかくの苦労も台無しです。
A、ムキになりすぎないこと
これってやり始めると、一種のデイトレですからハマるんですよ。もう一日中ネットにかじりついて、1時間おきにちゃっちゃと交換し、大きな値動きや逆に振れたらこれまでの資金から半分を日本円に戻して、いや待てよ一回ユーロを通しておいた方が率がいいかも、あ、待てよだったら複数の通貨に分散しておけばいいかも、、、なんてハマろうと思えば泥沼にハマれます。なんのことはない、一人投資ファンドになっていくようなものですが、プロ中のプロであるアメリカの投資ファンドが大コケしているのが今日の状況ですから、あくまでもほどほどに。典型的な「手段の目的化」です。
総合的な注意点は、あまり
一喜一憂しすぎないこと、です。
これは厳重に念を押しておきたいと思います。
為替作業は一種のギャンブルですから、得をすることもあれば損をすることもあります。大体得をするのは専門のプロ集団であり、僕ら素人は損をする確率が多い。長い目で見たら損をするように出来てますので、仮に70円でTCを作ったら、あとで50円に下がろうとも、「あー、失敗したあああ!」と大騒ぎしないこと。ある程度換金が済んだら、もう考えないこと。そんなことで一喜一憂してるヒマがあったら、英単語の一つでも覚えてください。その方が実効性あります。
それに、後から振りかえれば誰だって神様になれます。一番安いときに買って一番高いときに売れば儲かるのは当たり前です。問題はいつが一番高いときなのかリアルタイムでは
絶対に分らないということです。そんなことが百発百中分るんだったら誰も苦労しませんし、もしあなたが的中率100%を誇るならば留学なんかやってないで投資家になるべきです。
今このページを読んで、「よーし、イイコトを聞いた!」と思って得をする人もいるでしょう。しかし、今全額をTC交換してしまって、いざ渡豪の時期にもっと円高になってたら、結局こんなページ読まなくて何もしなかった人が一番得するわけですよ。だから「あー、くそ、騙された!」と思ったりもするでしょう。でも、こんなことは騙すもヘチマもなく、イチから十まで自己責任の自己判断です。
売り買いのタイミングの正しさはリアルタイムには絶対に分らず、しかも後になってみれば誰でも神様の視点で振り返えることが出来る。とゆーことは、現実的にどーゆーことかというと、仮にどんなに努力し、どんなに成功しようとも、あとで神様の視点で検証すれば、必ずどっかでタイミングを間違えている筈です。つまり、
絶対、損をした気分になる、ということです。「あそこで、ああしておけば」という後悔は絶対出てくる。しかし、そんな後悔くらい無意味なものはない。ジャンケンで「ああ、チョキを出しておけば良かった」と何時までも悔やんでいるようなものです。客観的にはすごい得をしていたとしても、強欲には限りがないので、主観的には損をした気分になりがちだということです。コレ、大事ですから、あらかじめ織り込んでおいてください。
そのあたりの苦〜い教訓も噛みしめつつ、現実的なアドバイスをするとしたら、今TCや外貨預金にするにせよ、全額一気とかはしない方がいいとは思いますね。半分くらいに留めておいて、「なるほどね、こんなやり方があるのね」というを学ぶくらいの気分でいたらいいと思いますよ。ま、そこは皆さんのハンダンですけど。
→「3−2:渡豪すべきか、いつすべきか」 に続く