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2011年07月02日改訂


お金の移動方法について(その2)




目次

第一章:各移動方法のメリット・デメリット
@ 現金
A TC(オーストラリアドル建て)
B 日本円口座からのATM引出(海外キャッシュカード)
C 第三者機関による送金サービス
D ANZ銀行などオーストラリア銀行口座を日本で開設
E オーストラリアで銀行口座を開設+日本から送金(or TCを預金)
F クレジットカード

第二章:総合判断 考えるべきポイントとミックス案

第一章:各移動方法のメリット・デメリット(承前)

C 第三者機関による送金サービス

 上記の貸金決済法により、あるいはその前からオーソドックスな金融機関の海外送金ではない、ユニークな送金サービスが沢山登場しています。今までコラム的に書いていたのを、まとめてみます。

 これらは銀行から銀行へという金融機関相互の送金ではなく、第三者機関が仲介に入り、ユーザーの便宜を図ろうとするものです。
KVBの円送金
 KVBの円送金は、オーストラリアで活発に活動するようになったKVBという会社の扱っているサービスです。昔っからやってますね。KVBは、香港ベースの外為銀行で、KVB 昆侖国際有限公司というのが正式名称のようです。ホームページはここにあります(別窓)

 よく宣伝されている円送金ですが、要は邦銀よりも円の評価を高くし、交換レートを1−2円ほど良くしている点にポイントがあると思います。この為替レート差だけを考えればお得と思われます。

 ただし、同じ外資のCitiバンクもいいセンをいっていて、最初にこれを書いている時点(2005年5月)でのレートを比べてみると、KVB87.74円、Citi87.65円で、Citiの方がむしろお得だったりします。ちなみに同じ外資である新生銀行を見てみたら、87.74円でした。KVBと全く同じですね。まあ、レートは時間によって違いますし、ある一点で比べたものが全てではないですが、レートの良さは何もKVBの専売特許ではないとは思います(というか邦銀がおしなべて高いのだけど)。ホームページで比べてみると、為替レートが載ってるページは、KVBはここCitiはここ新生銀行はここです。なお、各更新時を比べてみると、2008年9月でKVB89.48 vs Citi89.60 vs 新生89.71、2010年2月でKVB82.34、Citi82.45、新生82.11、今回(2011年7月1日)では、KVB87.82、Citi88.10、新生87.55でした。もうこのくらいの僅差になってくると、それほどナーバスにならなくても良い気がしますね。

 それによく考えてみると、レートひとつでケリがつくほど話はシンプルではないのですね。KVBの場合(別にこの会社のせいではないのですが)構造的な問題が二つあります。一つは、円送金をするにしても、円送金に関わる送金手数料というのが発生することです。KVBは日本に支店がないようですので、あなたが実際に円送金をしようと思ったらどこかの邦銀にいって、オーストラリアのKVB銀行口座に円建て送金を依頼しなければなりません。そこで送金手数料がかかってしまう。そのときいくら掛かるかは、あなたのお近くの銀行の料金表次第であって、KVBの手の届かないレベルの話になります。もし、この円建て送金手数料がレート差を超えるくらい高かったら意味がないです。これはKVBも親切に「但し海外送金(円送金も含む)には、送金元の日本側の銀行で送金手数料、送金先のNZ、豪州もしくはカナダの銀行で支払銀行手数料(受取銀行手数料)が発生します」と書いていてくれてます。

 第二に、KVBは地域密着型の銀行ではないので支店数が極端に限られ。オーストラリアではシドニーやメルボルンに一店舗づつしかありません。KVBに円送金をする場合、円送金をするか、円建てのTCを作って持っていくかの方法があるわけですが、いずれにせよKVBに行ってオーストラリア現金を受け取ってくることになります。シドニー支店はシティのタウンホールの交差点のCitiバンクのビルの18階にありますが、コマメにそこまで行くのも面倒でしょうし、土日は休みで、営業時間は5時までという制約があります。かといって一気に何千ドルもの現金を引き出せば、帰り道がドキドキです。だからしばらく預かって貰ってオーストラリア銀行の口座に送金してもらうか、速攻で預金するという方法になるでしょう。そうなると後述するオーストラリア銀行口座開設にまつわる問題が付随します(住所や管理料など)。

その他

 幾つもあり、僕も詳細を詰め切れていないのでとりあえず挙げておきます。

JTB海外送金サービス
 これはJTBの会員が、専用のJTB海外送金サービス口座へ振込みするだけで、海外にいる指定した引出人に送金するもので、引出人はJTBが発行するカードを使って、海外のATMで現地通貨を引出すことができるというものです。要するに邦銀の海外キャッシュカードを、JTBがやっているようなものです。違うのは「預金口座」でもないし、口座振込人と引出人が別であるとかいう点ですが、実質的な機能では同じでしょう。特に「あとから送金」するような場合には、日本円で日本の口座に振り込めばいいだけなので、ほとんど同じだと言っていいでしょう。

 デメリットしては、入会金とか年会費とかがありそうなのと、初動の手続きがどれくらい面倒なのかとか、銀行そのものではないのでネットバンキングその他の機能に制限がありそうなところでしょうか。詳細はココです(別窓)。

MasterCardキャッシュパスポート (トラベレックス)
 トラベレックス(英)とVISAの提携でATMキャッシュパスポートを発行していたが、貸金決済法以降マスターカード・キャッシュパスポートになった。詳細はココ(別窓)

 この特徴は「ATMでおろせるTC」のようなものでしょう。豪ドル建てTCを作ってTCの帳面を貰う代わりにカードを受け取り、現地のATMで下ろせるという、TCの不便さを解消したものです。またマスターカードと提携したので、マスターカードの加盟店の場合(これは多いだろうが)、デビットカードとして使える。

 特徴&デメリットは、トラベレックスが旅行用両替屋さんという性質上、カード作成などをする店舗が、空港とか主要観光地など旅行関係にシフトしていることでですね。ここが銀行系と大きな違い。あと作成費用が入金額の1%ということで、幾ら入金するかによってTCその他の費用よりも高いか安いか決まります。100万円とかだったら1万円かかるけど、30万円だけTCにしようとして5000円の手数料を取られるなら、このカードだと3000円だからお得だろうと。あと為替レートが若干高めなのだが、同種外貨ATMの手数料が無料だから、他の銀行ATMが3-4%の手数料を取ることからすれば似たようなものだとも言える。

HSBCプレミア インターナショナル・外貨キャッシュカード
 詳細はココ(別窓)。英国系の香港上海銀行。外資だけあって、普通の円預金口座のキャッシュカードがそのまま海外ATMで使えるのはCitiや新生と同じ。特徴的なのは、最初から外貨建てでキャッシュカードを別途作ることが出来ることであり、この場合現地ATMの為替手数料は無料になるのはトラベレックスと同じ。但し、トラベレックスよりもレート良さげではある。また、銀行なのでオンラインバンキングなども利用範囲が広く、外貨預金なども出来る点ではシティと同じ。シドニー現地にも支店が幾つかある。

 デメリットしては、日本における支店数が少ない。来店予約で見ても全国6店舗しかないこと。そこはまあ郵送その他で出来るとして、隅々まで読んでみたところ口座管理料が月額5000円かかるというのは痛い。月平均1000万円以上預金がある真に「プレミア」なお客様には無料なのだが。だからこれはお金を持っていて、外貨運用を行い、それも中国系ビジネスも睨んでいる人には良いかもしれないが、そうでなければ--。

VISA DEBIT
 VISAによるクレジットではないデビットカード。しかし海外ATMでも現金の引き出しが出来るので候補になりうる。これは各銀行がVISAと提携しているかどうかによる。例えば、スルガ銀行のキャッシュカード一体型VISAデビットカード(別窓)、楽天銀行の楽天デビットカード(別窓)があります。どちらもユニークで使い勝手も良さそうだが、前者は地方銀行なので東海方面には強いが、全国的な店舗展開はあまりないこと。後者は、もともとがネット銀行なので支店数が少ない上、支店名が音楽(サルサ支店とか)なので、いわゆるポップな楽天のノリに親しみを覚えたり、日頃からよく利用している人には向いているかも。年会費も1000円くらいだし。

 その他、ソニー銀行のMONEYKit(別窓)というものあるが、これは米ドルを基軸とするので、アメリカに行くならいいが豪ドルだと何かと不便かも。米ドルで資産管理をしている人には良いかも。

D ANZ銀行などオーストラリア銀行口座を日本で開設

 これは便利なようで不便だと思います。まず、日本で開設しても、現地の支店(シティの真ん中)までいってカードを受取らないと実際には引出せない場合が多く、また銀行が混んでたりすると結構待たされたりすることもあります。初動一週間は多忙ですので、時間の浪費だという気がします。また、日本で開設する場合、5000円くらいの口座開設費用が取られるでしょうし、オーストラリア銀行に日本から振り込むときにまた送金手数料(換金手数料)などがチャージされたりします。

 ちなみに、オーストラリア銀行口座をオーストラリアで開設する場合、手数料はかかりません。

E オーストラリアで銀行口座を開設+日本から送金(or TCを預金)

 こちらで銀行口座を開設したあと、日本にいる家族などに頼んで送金してもらう手もあります。この場合もやはり送金手数料はかかるのですが(通例4000-5500円くらい)、JCBで送金手数料525円という送金サービスがあります。詳しくは留学生向け海外送金サービスに書かれています。確かに手数料は安いのですが、カード発行に3−4週間かかり、手数料とは別に交換レートが1.6%程加算されるようです。微妙なところですね(^_^)。なお、日本から緊急で追加送金して貰うんだったら、上のBの日本口座に入金(日本円)してもらうのが一番早いし、送る方も簡単でしょう。

 身分証明としてパスポートとクレジットカードを持参されるといいと思います(各銀行各窓口によって言うことが(人により、時期により、支店により)バラバラなので、これでOKというスタンダードがわかりにくいのですが、大体パスポートとクレジットカードがあればOKというケースが多いです)。なお、学生割引(口座管理料無料)をやってる銀行が多いので、語学学校などに入学して学生証を貰ってから作成するとよろしいでしょう。

 オーストラリアでの銀行口座ですが、こちらで生計を立てるのでなければ(働いたり、ビジネスをしたり、小切手を貰う機会があるなど)でなければ、口座を開いても、預金などはしないで、もっぱら引出し専門になると思います。だとしたら、口座なんか開設してもあんまり意味がなかったりもします。前述のようにランニングコストもかかるし。

 ★なお、「着いたらすぐに銀行口座を開設しなきゃ!」と思いこんでる人が多いのですが、それってあんまり合理的な根拠はないです。そのあたりについては、「間違いだらけのワーホリ&留学/現地に着いたらすぐに銀行口座を開設すべきか?」をごらん下さい。要旨を言えば、着いてすぐには作らない方がいいし、また作れないくらいに思ってた方がいい。なぜなら、@住所が未定、A学生証提示による口座管理料無料が得られない、B 急場に間に合わない(銀行営業時間に拘束されるし、土日は動けず、カードが来るのは来週)からです。作るなら落ち着いてからの2週目以降にやるといいです。

EFTPOSとは?

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F クレジットカード

 メリットとしては、第一に送金コストがかからず、第二に持ってさえいれば良いという簡便性、第三に安全性です。
 この安全性は、語学学校の授業料など大きな出費の場合には威力を発揮します。数千ドルの現金をTC交換やATM引き出しで持って歩くのはリスキーでしょう。またATM引き出しも、1日1000ドルとか制限があるので大きな支払には向いてません。

 ただし、クレジットの場合、海外利用限度枠などを設けている場合がありますので、先に確認しておかれるといいです。また電話一本で引き上げることも可能です(カードによるだろうけど)。この確認は絶対にやっておかれるといいです。皆さん結構あやふやで、いざ語学学校のカウンターで支払をするときダメだったということが、実に2回に1回はあります。僕や学校の人はもう慣れてるけど、本人的には「きゃー!」ですので。また、オーストラリアとの時差があるので日本に電話しようにも日本ではまだ営業時間ではなく、イライラしながら待つハメになったりもします。さらに、突然大きな出金をしようとすると、日本側で不正使用の疑惑アリで支払を停止する場合もあります。その場合にも日本に連絡を取って、金額を確認しGOサインを出す必要があります。いずれにせよクレジットの場合、すぐに日本と連絡が取れるように予習しておかれることを強くオススメします。


 オーストラリアの場合、VISAとマスターズだったらまずOKですが、アメックスは使えない場合が多いです。学校支払などにもほぼ無理。またJCBなど日本系は、ごく限られた観光系を除いてはまず使えないと思っていいです。

 さらに第四のメリットはオーストラリアでの利便性です。これがデカいからマストアイテムに数えました。
 オーストラリアではクレジットカードを持ってないと身動きが取れないケースが多々あります。語学学校でもクレジット以外の支払は一切受け付けていないというところもあるくらいです(現金すらダメ)。また、旅行の際の切符や宿、コンサートの予約などブッキング系はクレジットカードオンリーですので、それらが全滅する恐れもあります。以前、身内の不幸で急遽帰国しなければならなくなった人がいたのですが、クレジットを持ってなかったから航空券が取れず、どうしようもなくなってしまいました。翌日旅行代理店に行けば良いのですが、そうなると朝一番の便を逃してしまうし。そのときは臨時で僕のクレジットカードで予約を取りましたけど、そんなにいつでも他人が使わせてくれるとは限りません。是非一枚は持っておけという所以です。

 また、クレジットカードは、銀行口座開設の際の身分証明書になるという大きなメリットもあります。

 さらにクレジットカードには付帯するサービスがあります。例えば、海外旅行保険が自動的にくっついてくることもありますし、マイレージとリンクしているカードであれば、学校費用など大きな出費をクレジットを利用することによって、帰国便や旅行の足しにすることも可能でしょう。そのあたりはよくお調べになって賢く利用されるといいでしょう。

 デメリットとしては、最大のものが残高管理がしにくいという点です。キャッシュだったら財布を見れば一発で分かるものが、クレジットだと決算・引き落としを過ぎてみないとよく分からない。特にレートが決算時の場合、その日がくるまで一体幾ら引き落とされるのか分からないという問題があります。

 第二のデメリットとしては、場合によってはサーチャージがかかることです。一般に買物などにはあまりかかりませんが、語学学校などでもかかる場合が多いです。大体1−4%くらいですが、これによって他の支払手段と費用がトントンになる感じですね。

 第三のデメリットとしては、現金化出来ないことです。これは致命的な弱点で、学費や旅費のような一般的な消費活動の場合は使えますが、シェア代の支払など個々人間の支払には現金以外使えません。そして、ワーホリや留学で数ヶ月滞在する場合、学費以外にナニが一番出費がデカイかといえば、実はシェア代だというのが殆どのケースでしょう。毎週ブランド品を買ったり、豪遊するのでなければ、です。

 ということで、クレジットカードは大きな支払や緊急時その他には威力を発揮するのだけど、それ以外の日常場面では無力に近い。クレジットカードでもキャッシング機能はありますが、ちょっと待ってください。それって「引き出し」なのか「貸し付け」なのか?そのあたりはクレジットカードの契約次第です。本人は引き出しているつもりでも、「貸し付け」られてたら、14%とか途方もない金利がかかります。カード会社に問い合わせるなり、しっかり調べておく必要があります。

 以上の次第で、初動・大量支出場面と平常チビチビ支払場面とを分け、前者にはクレジットカード、後者にはATMその他という併用策が無難なところだろうと思うわけです。

 あと、クレジットに関しては、メリットともデメリットとも言えるのは、為替レートで、こちらに来てから有利な時期を選べるけど、決済時がズレこむ場合には運を天に任せることになること。安全性の点では、キャッシュよりも安全でしょうが、盗難紛失後の迅速な処理、さらにスキミングされていないかの定期チェックなどは念頭に置いておくといいでしょう。

 あ、それとクレジットカードというのは、会社を辞めたら途端に作れなくなります。自営業者がクレジットカードを作るのは本当に大変なんですよ〜。僕もこちらで作るのに7年かかった。なんせ過去三年分の(黒字の)税務書類を出して厳しい審査を受けるわけですからね。まあ車を持ってたらOKとか結構ルートはあるようですが、でも、起業をはじめる準備で1年、軌道にのるまで2年、黒字になってから3年ですからね〜。ですので、「クレジットカードを作るためだけに入社する」という人もいるくらいです。退職してもカードはパーになりませんから。ですので、もし退職を考えておられるなら、辞める前に作っておかれることをオススメします。


 以上を総合して、どうすればいいか?を考えてみます。
 ここまで読んだ時点で、「おし!」と方針が決まった人は、もう読まなくてもいいです(^_^)。

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 ★関連リンク = 予算・費用について
 ★関連リンク = 語学学校の選択の基準(その2)予算で選ぶ 語学学校の経費の構造
 ★関連リンク = 2011年 世界経済と留学/ ワーホリ3−1:為替の動きにどう対応するか

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