★日本料理
日本料理系の評価は非常に難しいです。
レストラン側からすれば、@食材の関係で完璧に日本と同じにするのは不可能、Aどうしても他の料理に比べて食材調達や人件費などコストが掛かるから高い価格になってしまう、B日本人以外の地元の連中にも対応させるので本来の日本料理とはズレざるを得ない、という厳しい条件が課せられているのだろうと推測します。
一方、我々の側とすれば、海外で日本料理を食べに行くのは、日本で日本食を食べるよりも遥かに「イベント」であり、「よおし、今日はなつかしの日本の味を食べに行くんだあ!」と盛り上がってしまうので、どうしても過大な期待を寄せがちです。それに、日本にいる頃は幾らでもマズい店があった筈なのですが、記憶の中では「美味しい店」ばかりが残り、無意識的にそれを期待してしまうから尚更です。ここらへんは人によるのでしょうが、さらに我々の場合、
「なければ作れ日本料理」でトライしてるから日本料理の腕は日本在住の頃よりも格段に上がってしまっています。握り寿司だろうが、バッテラだろうが、茶碗蒸しだろうが、揚げだし豆腐だろうが、ある程度のものは不自由なく自分で作れるようになってしまった。だもんでイヤが上にも「わざわざ金出して食べに行く」場合の要求水準は上がってしまうわけです。
そして、レストラン側の苦労も知らずに、この無理解な思考パターンに愚かにもハマッてしまった感覚で言うならば、シドニーの日本食レストランで味、価格ともに納得できた経験はいまだあんまりないです。
つまり、地元ローカルのレストランの価格に対抗できる低料金の場合、一応まっとーな日本食が出てきますが、そうなると「多少見栄えが悪くてもウチで作った方が安いかな」と僭越ながら思ってしまったりします。逆に、超高級レストランなら、自分では出来ない腕の冴えが味わえるのでしょうが、現地の物価相場に慣れた身には高額に過ぎます。一方、地元オージーには人気が高かったりする場合、ときとして「量重視」だったりして(寿司のシャリが多すぎるなど)、私ら日本人には別の意味での「もの足りなさ」を感じてしまうこともあります。消費者というのは言いたい放題言うもので、それを相手にする経営者、板前さん達には同情と理解を禁じ得ないのですが。
実は、これまで述べたジャンルの中で一番食べに行ってないのが、日本レストランなのです。したがって情報絶対量の少なさから、公正な論評など望むべくもないです。それどころか「独断と偏見」すら生まれてこない。というわけで、このジャンルは「なし」にさせていただきます。一応そこそこ書いたのですが、「やっぱ、駄目だわ」と思って削除しました。
2009年改訂時:
以上の文章は10年前に書いたものです。「よくも10年もほったらかしにしておいたもんだ」とは思うものの、かといって革命的に新しいコンテンツが思いついたりするわけでもないのです。今回、ほぼ10年ぶりに改訂してみようかなと思い立ったわけですが、大きな意味での状況はそーんなに変わってません。
特に上記に掲げた構造=@食材調達難、Aオージー(ないし非日本人)風好み、B我々の、ときとして幻想的なまでな過度の期待、という諸点は全然変わっていないようにも思います。
ただ、この10年で日本食は以前よりも地元社会に浸透したと思います。特にオーストラリア在住のチャイニーズの皆さんに広く好まれるようになったようです。同時にオーストラリアのバブル経済によって、日本食以外のレストランの価格も非常に高騰しており、今となっては特に日本食だから高いという感じでもなくなってます。日本食よりも高いところは幾らでもありますからね。
まあ、こんな概論を書いていてもキリがないので、地元生活10年以上の僕が好んで食べに行く日本食レストランを幾つかご紹介しましょう。
2011年改訂時:
また久しぶりに改訂しますが、大きな枠組みは何も変わりません。日本料理屋はオーストラリアでの急成長産業というくらい店が増えました。オージーが日本(ニセコなど)で覚えてきた居酒屋スタイルも、「IZAKAYA」としてそのまんまの名前でこちらに取り入れられてます(日本の居酒屋とは違うけど)。
しかし、それがともすればアダとなっている。非日本人が食べる機会が増えれば増えるほど、僕ら本家日本人の好むオーセンティックな味からは遠ざかっていくということですね。これはもうしょうがないです。唯一の対処法は、「日本人から移民が激増する」ことしかないです。日本人顧客だけを相手にやっていても十分にお店が成り立つようになれば、本格的な日本料理も食べられるでしょうが、現在のように絶対数が非常に少ないと、それは中々難しい、そして日本食が浸透すれば浸透するほど、皮肉なことにどんどん難しくなるという構造です。
また、以前紹介していたお店も、それぞれオーナー(シェフ)が変わるなどして、紹介した頃の味ではなくなってしまいました。これもまた全体の傾向からすれば仕方のないことです。しかし、余談ながら、「いいな」と思ったお店は大体オーナーシェフが良心的に頑張っているお店が多いのですが、オーナーさんが「もう辞めたい」とこぼしていたのをちょこちょこ聞きます。やっぱり飲食店を一人でやるのはしんどいのでしょうね。日本で頑張るのとはまた違った難しさがあるのでしょう。一つは食材はやっぱり少ないので調達するのに苦労すること。第二に、自分のプロの腕からして必ずしもベストではない味=他国の人の味覚に合わせなければならない難しさ(同時にストレスだとも思う)、そして第三に、これはかなり想像なのですが、なにもかもがのんびりしているオーストラリアまでやってきて、なんでこんなにシャカリキになって働かなければならないの?という気持も湧いてくるのではなかろうか。特にお子さんや家族がいたら、周囲のオージー水準のように遊びに連れてってあげられないとか。まあ、わからんけど、こちらで日本食レストランをやるのは、何となく思う以上に大変なんだろうなって思います。
魚や
336 Pacific Hwy、Crows Nest 9438-1468
このお店は昔っからあります。僕がこちらにきてからありますから、十数年になると思いますが、凄いのは店の佇まいも、味も、殆ど変わっていないことです。今となったらこれは偉業ではないかと思えます。
名前のとおり魚がメインのお店で、寿司だけではなくちゃんと魚を食べたい人に向いてます。
ノースという立地もあり、日本の駐在サラリーマンのオジサン達の定番の店という雰囲気もあったのですが、ここも相対的に日本人比率は減ってきてます。その昔は、「まあ、美味しけど高いな、、、」と思ってたのですが、最近では全体の相場が上がってきたので、逆にそれほど気にならなくなってきました。むしろ安いくらいに感じる。
オージー向けに妥協していない純和風の良店で、当たり前の日本料理が当たり前に出てくるのが嬉しいです。
懐石料理のように凝り倒したものは少ないのですが、「ブリの塩焼き」と頼んだら、ちゃんと本物のブリの塩焼きが出てきます。「らしき物体」ではなく。本日のお魚という別プリントしたメニューが出てきて、刺身、焼き物、煮物、揚げ物など分かれているのですが、僕のお薦めは焼き物。本物の焼き魚が出てきて、外れたことないです。
ちなみに何をムキになって「本物」とか言ってるかというと、僕のパーソナルな基準では、その昔、出張で行った真冬の舞鶴漁港の食堂で食べたぶりの塩焼きです。これが塩焼きなんだけど、魚本来のほんのりした甘みがあって「焼き魚というのはこんなに美味しいものなのか」とガビーンとなった鮮烈な記憶があり、以来それが基準。塩の味ばっかりして、魚本来の味がしない焼き魚はダメ、と。ちなみに最近シドニーでは西京焼きが流行ってますが、西京味噌の甘みが邪魔くさく感じられるケースも多く、シンプルな塩焼きの方がいいように思ったりしてます。もちろん好みなんだけど。
このお店、そこそこ食べて二人で100ドルはいき、かなり気合入れて飲んで食べるとそれ以上ですから決して安くはないです。でも、段々分かってきたのですが、ケチケチ食べても案外と安くならないもので、逆に腹括って、もう馬鹿遣いするくらいの覚悟でイケイケ注文した方が結果としてはお値打ち感があります。お刺身の盛り合わせの一番小さな皿ですら26ドルしますので一瞬引いたりするのですが、よく味わうとただのお刺身ではなく「美味しいお刺身」だということが分かります。この差は微妙なんだけど、実はデカい。
メニューをみると海鮮丼32ドルとか、一品もので平気で20〜30ドル台して引くのだけど、実際にはボリュームたっぷりで、質も上等なので、結局はお値打ち感あります。
「質を落として一見安そうにみせる」というデフレ商法の180度真逆をいってるわけですが、こういうポリシーは好きです。僕らは、(日本料理の場合は特に)「安いもの」を食べにいっているのではなく、「美味しいもの」を食べにいってるのですから。安ければいいなら自分で作ればいいのだ。とはいいつつ、寿司一カン100ドルとかされたら(そんな店ないけど)引きますけど。
あと、意外と、掘り出し物的に安い一品が多いです。5−6ドルのほうれん草の胡麻和え(美味、大好き)とか、だし巻き卵(ちゃんとお寿司屋さんの卵焼きでうれしい)とか。アラカルトメニューや、本日の特別メニューのなかの、地味でナニゲの一品が安くて美味しい。量も日本の相場の倍はあったりします。
お寿司は盛り合わせなどセットメニューしか印刷されてませんが、バラに頼んでも1カンづつちゃんと出してくれます。
あと、バラ寿司はここの名物で確かに美味しいです。コース料理に出てきますし、多数でいくときにはオススメ。ただし、二人くらいで行くと妙にバラ寿司の居場所がなかったりして。
正直言って100%常にアタリってことはないです。「今日はミラクルだった」という日もあれば、「今日はイマイチだったかな」という日もある。とくに刺身系は、どうしたって質の上下動があるのは、仕方がないことだと思ってます。天然の素材が重要なパートを占めるものが、工業製品のように常に同じレベルの筈がないです。もしそれをやろうとしたら、この数倍の値段で、しかも日替わり(今日のオススメ)メニュー一本だけで、しかもダメなときは平気で休業するくらいでないと無理だと思います。日本にはそういうお店もありますけど、でも、日本人客が少ないオーストラリアでそんなマニアックな経営が出来ようはずもないし、経営的合理性もないです。
しかし、丁寧に手順を踏めば、そう大きな差はないという料理群もあり、それが例えば出汁巻き卵であったり、炊き合わせ系や煮込み系でしょう。素材よりも、製造過程のウェートが高い料理です。このお店は、その部分ではまず外れません。10年以上食べてきて、その点で外れた経験はないです。もっとも、ランチに天ぷらを食べて、「ん?」と思ったことが一回だけあります。「らしくないな」と。これはどこのレストランでもそうですが、シェフのローテーションなどで、ぼこっと技量が下がるタイミングもあるのでしょう。前に、他のいろいろな店に行って、「こ、こんな筈では」体験が日・月曜に高いんじゃないかと法則性らしきものを感じたことがありますが(シェフが休みを取ってるとか)、必ずしも常にそういうものでもなく、これはもうしょうがないなと思います。ただし、一回も裏切られたことがない店というのも又存在し、それは僕らが単にラッキーだったのか、それともお店の水準が高いかでしょう。それ以上に、単にこっちの体調とか気分ってときもあるし。まあ、これを言い出すとキリがないですね。
ながしま
Hunter Connection Foodcourt、Level 2、F12B / 7-13 Hunter Street. Sydney、2000
02 9223 9962
WEB
ハンターコネクションは、シティ北部、Wynyard駅近くにあるフードコート。George StとHunter Stの角のビルの内部にあり、知らないと中々分からない。が、シドニーのサラリーマン諸氏には定番のお食事処。安いし、けっこう美味しいし、賑わってます。最初に行ったとき、「あ、日本みたい」と思ってしまった。全然お洒落でも明るくもないのだけど、そこがいいのだ。新橋とか茅場町あたりの感じ。
ハンターコネクションには日本食のお弁当屋さんが何軒かあって、以前は「松」という店がフェバリットだったのだが、変わってしまい、今ではこの「ながしま」が好きです。なにがいいかというと、寿司弁当。沢山の種類の弁当があるのだけど、狙いは寿司だけ。普通のお弁当は、まあ、普通なんですけど、寿司が美味いです。なにがってシャリ(寿司飯)が美味い。ちゃんとほんのり甘くて、「そうだよ、寿司飯ってのはこうだったんだ」と思わせる、懐かしい寿司の味です。
なんか知らんけどこっちの寿司のシャリは、ただのゴハンみたいなものも多いです。「シャリに力がない!」とかいう以前に、そもそもシャリではないという。ちらし寿司なんか、シャリが美味いかどうかが全てでしょう。その意味で、この「ながしま」はイチオシです。お値段リーズナブルすぎるくらいだし。
ちなみに日替わりで変わったもの(日本各地の料理)がありますので、大将にお聞きになるといいです。骨せんべいが美味しかったの覚えてます。
サラリーマンのランチ御用達なので、開店時間も限定されていて月〜金の10時半から午後3時半まで。土日は閉店。2時くらいにいったら売り切れてたりします。
寿司天国
121 Anzac Parade, Kensington 9663-3388
2011年記:伝え聞くところによると、オーナーシェフの森川さんが、諸般の事情で昨年あたりから日本に帰国がちとなり、森川さんが仕込んだと思われるお弟子さん達(?)がやっておられるようです。一回食べたことがあるのですが、かなり忠実に旧来の路線を踏襲しているのは分かるのですが、やっぱ違います。こうしてみると師匠は偉大なんだなと思わされます。
現在リアルタイムで復帰なさっているのかどうかは未確認ですが(ご存知の方、教えてください)、また分かったら書きます。とりあえず過去の紹介文は、、、、どうしようかな、、、、、迷った挙句、残しておきます。全盛期に比べたら確かに違うのですが、大筋においては間違ってないですから。
ここも一貫して独自路線を走っています。何がユニークかといえばまず寿司が大きい。それもシャリではなくネタが巨大。尋常ではなく巨大。一口で食べるのは絶対に不可能というくらい大きい。でもって単に大きいだけではなく、美味しい。美味しいお刺身を口いっぱいほうばってると、それだけで「はっはっは」と笑えてきます(^_^)。凝り倒した一品があるわけでもなく、ストレートに握ってくれるのですが質量ともにノックアウトされます。
NSW大学至近という土地柄、インドネシアからなどの学生さんでにぎわってます。予約なしにぶらっといっても厳しいです。もうそれだけで十分経営的に成り立つのか、積極的に広告してませんし、日本系の現地刊行物に載ったりすることも無いです。日本人の常連客もそこそこいますが殆どがクチコミでしょう。
寿司が大きいこともあり、8カン食べたくらいで既に満腹&満足になります。それでいて一人前がわずか25ドルとかそんなもんですので、コストパフォーマンスはかなりのものです。「うおおお、寿司が食いたい!」という人にどうぞ。ワサビも冗談抜きに思いっきり入ってますので、「うわ、来たっ!」とのたうち回って寿司を食べる快感に酔いしれてください。そうそう太巻きも美味です。
ちなみに日本人客の場合、事前に予約すること。それも出来れば数日前に予約するといいです。仕入れの時、日本人が好みそうなネタを探してくれます。いきなり入ると、オーナーシェフの森川さんに、「ダメだよ、今日何にも無いよ!」と怒られます(僕もよく怒られた)。
妥協しない力一杯の寿司を握る森川さんの姿勢と気合は、オージー客にも伝わるのか、森川さんが頑張って握るのでどうしても待ち時間が長くなるのですが、それでもニコニコ待ってます。また、余計な手間をかけまいということで、勝手にお客が給湯器から急須にお湯を入れてお茶を作ったりしています。冷蔵庫のアイスクリームも勝手に持っていって自主申告(1個1ドルとかいう法外な安さだったと思う)。ユニークな店です。
待ち時間がキツいなと思う人は、開店同時に行くくらいがいいです。あるいは事前に注文しておいてのテイクアウェイ。
写真左はテイクアウェイの二人前。一見どってことないようだけど、パーティ用の容器に二人前だけというのがスゴイし、よく見ると1カンの寿司の大きさが分かると思います。写真中央は1人前。入りきれなくなって折り重なっています。写真右は寿司の裏側。シャリの裏までネタが巻き付いています。
美濃(Mino)
521 Millitary Rd,Mosman、9960-3351
※09年10月に食べにいき、以下の感想を撤回することにします。実は前々回行ったときに、名古路さんが辞められたというのを聞いたのですが、その時点ではまだ味は昔の美濃路線であり満足できるものでした。しかし今回は、新しいシェフの人の路線が色濃く出されていました。それはそれで当然であり、悪いことではないのですが、オーセンティックな懐石料理ではなく、オーストラリア人向けのモダンなものになっていました。経営的にはその方が良いのでしょう。わかります。でも、普通に料理してたら絶対に出せない、まさに本格的に日本料理を修業した人だけが出せる味=それこそがここをオススメしていた理由ですが=ではなくなっていました。今年はオセチもやらないようだし、完全に路線が変わった感じですね。
→参考:過去の紹介文を表示させる
このお店はもう何年も定期的に通っています。本格的な和風懐石のお店です。
何が良いかというと、キッチリとプロの板前さんが作る日本料理だという点です。材料の選定、下ごしらえ、出汁の取り方、調味、料理法、どれをとっても自宅で再現不可能というか、素人仕事ではないです。懐石料理なので料理法も凝っているのですが、凝ってるだけではなく一つ一つのプロセスが「やっぱ、違うわ」という職人仕事。例えばここは先付けによく出てくる、さわやかな酸味をきかせたゴマだれが絶妙なんですけど、この味は当然出来合いのゴマだれではなく自家製、それも胡麻の選びかたから気合入れないとダメなんじゃないかという気がします。
それでいて安い。もう破格に安いといってもいいでしょう。コース料理が2種類「美濃」「豪州」があるのですが、火、水、木&日曜日はお値打ちなミニ懐石があります。ミニといいつつ、十分にこれでお腹いっぱいになります。先付け〜お刺身〜八寸〜メイン〜デザートとなるのですが、これで昔は38ドル。今は値上げして45ドルとかそんなもんですが、100ドル取ってもいいんじゃないかと思われるだけのクオリティがあります。今の日本でこれだけ真面目な日本料理を食べようと思ったら1万円以上はするでしょう。
メインだけでもかなり質&量があるのですが、特筆すべきは八寸。四種類の凝った料理が大皿に盛られてきます。メインは、和風ステーキや天麩羅、すき焼きなどから選べます。意外とオススメなのがすき焼きで、汁気の多い割り下なのですが単純に味が良いです。寄せ鍋も具沢山でうれしい。いずれも見事に出汁をとっているので、うまみ調味料の無機的なカクカクした味ではない、優しい陰影があって僕は好きです。
↑写真上左は先付け。右は八寸
↓写真下はメイン。左は寄せ鍋、右は和風ステーキ
このお店に最初に行った頃は、こんな値段でやっていけるのだろうか?これだけ本格的な日本料理をオージーが理解できるのだろうか?と他人事ながら心配だったのですが、モスマンという高級住宅地の立地からか味の分かるオージー、そして美味を見逃さないチャイニーズに支えられて繁盛しています。
でも、オージー風に妥協せず、また手を抜かず、真正面からオーセンティックなクオリティ一本で勝負している姿勢はエラいと思います。
ちなみにここは年末にはおせち料理も出してます。二人分で120ドル。これを高いと思うか、安いと思うかは人それぞれですが、「じゃ、120ドルやるから作ってみ」と言われたら到底そんな金額では出来ないので(そもそも幾ら貰っても出来ないけど)、僕はリーズナブルだと思ってます。大晦日に受け取りにいくと、オーナーの名古路さんの可愛らしい子供さんが「はいっ」って言って手渡してくれて、ほのぼの気分になります(^_^)。
Kai on King
129 King St., Newtown 9519-0646
※これも2011年08月にオーナーが変わったという話を聞きつけ、行ってみました。新しい方(日本人)も、頑張ってはおられるようですし、シドニーの回転寿司のなかでは上位にランクされるとは思います。僕らがピッキーなのかもしれないけど、シドニーの回転寿司のなかには(僕らからしたら)かなり「違うな」という店も多く、試しに入って、一皿だけ食べて席を立った店も数知れずあります。そういう水準からしたら、かなり上。また、「今日は何かいいのがありますか?」と聞いて、その日のオススメが出てくるところも旧来と同じ。しかし、もとの松井さんの味ではないです。
→参考:過去の紹介文を表示させる
シドニーのフード・キャピタルといわれているニュータウンで頑張ってる回転寿司。
シドニーでも回転寿司は幾らでもありますが、ここがベストだと思います。まずオーナーシェフの松井さんが陣頭で頑張って握っているのでちゃんと「寿司」になってます。当たり前かもしれないけど、バイトさんとかにマニュアルどおり握らせて、「寿司らしき物体」みたいなお店もあったりするわけです。まあ、シャリを握ってネタを乗せれば一応寿司らしくなるのですが、やっぱ握りの力のいれ加減とか、握る直前にネタを切るとか、そこらの有形無形の手間ヒマがあって「寿司」になるのだと僕は思うのですね。
圧倒的にオージー客が多いのですが、ニュータウンという食の土地柄か、オージーとはいえどもそれなりに舌は肥えているのでしょう、地元に支持されて頑張っています。どうしても生魚よりも巻き寿司系が多くのは仕方のないところですが、この巻き寿司がまた凝っていて、結構気合が入ってます。日本人の寿司の概念からは逸脱しているものも多いのですが、かといって不味いかというと実は美味しい。「なるほど」と思う一品も多いです。
とはいえ、お寿司を食べにきたので本格的なお寿司こそがメインの目的。だから、店に入ると奥で黙々と握っている松井さんに「こんにちわ」と挨拶し、「今日は何かいいのがありますか?」と聞きます。これはこの店に限らずシドニーの回転寿司に入ったら聞くべし、というかお寿司屋さんって本来そういうものでしょ?その日のネタの中から、日本人好みの握りを出してくれます。ホタテ、炙りサーモンあたりは定番でもいつもありますが、ラッキーだったらトロやらウニのいいのがあったりします。白身ではキスとか。イカ、アジ、タイ、ハマチ、シメサバ、そこらへんも割とあります。日本のお寿司屋さんみたいに何でもかんでも揃っているわけではないのですが、オススメを幾つか食するといいです。珍しいところではサヨリなんかも食べたことがあります。
でもって安いです。二人でかなり食べても(大食らいなので二人で20皿以上楽勝に食べる)50ドルくらいですもん。
ところでシドニーはかなり魚が美味しいです。そりゃ勿論ベストな一品は日本なのでしょうが、日本というのは非常に玉石混淆で、本当に美味しいものもあるけど(物凄く高いけど)、大したことないものも山ほどあります。冷凍物も多いし。だから、平均的なコストパフォーマンスでいえばむしろこちらの方がいいかも。少なくとも日本の都会で美味しい魚を食べたいなら金を惜しんじゃダメだし、美味しいものを安く食べたいなら海の近くに行くべきなんでしょう。
ちなみにここもテイクアウェイ・ウェルカムで、入り口のところで寿司を自分でパックに詰めて精算すればいいです。結構そうしている地元民が多かったです。
写真左はオーナーシェフの松井さん。
右は常連化しているニュータウンの地元住民の皆さん(特にチャイニーズが多いとか、本流オージーが多いとかいう傾向はなく、本当に満遍なく各民族に愛されているように思います)
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